ヒト化バイスペシフィック抗体
中外製薬株式会社は、8月26日、同社が開発中のヒト化バイスペシフィック抗体「Emicizumab」が、厚生労働省より希少疾病用医薬品の指定を受けたと発表した。
同剤は、血友病Aを予定適応症として同社が現在開発している皮下注製剤。今回の指定は、「インヒビターを保有する先天性血液凝固第8因子欠乏患者における出血傾向の抑制」を対象とするもの。
重篤な出血症状が反復して発生する血友病A
血友病Aは、血液凝固第8因子の先天的欠損または機能異常により起こる、遺伝性の疾患。同疾患では血液凝固反応が正常に進まず、関節内や筋肉内などの様々な部位において重篤な出血症状が、小児時より反復して発生する。
同疾患の重症患者においては近年、定期的に第8因子製剤を補充し、出血の頻度を減らす治療が実施されている。また一部の患者では、補充された血液凝固第8因子に対する中和抗体(インヒビター)が生じるため、血液凝固反応を促進するバイパス製剤を使用した治療も行われている。
血友病A治療に革新を
希少疾病用医薬品は、医薬品医療機器等法に基づいて厚生労働大臣より指定を受け、優先的に審査される医薬品。指定には、当該医薬品の用途に係る対象者数が本邦において5万人未満であることなどが必要となる。
中外製薬は、「Emicizumab」が血友病A治療に革新をもたらすことを強く期待すると共に、より良い治療の実現に貢献できるよう尽力するとしている。

Emicizumab、希少疾病用医薬品に指定 - 中外製薬株式会社
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