消化管または肺原発のNETにも使用できる
ノバルティス ファーマ株式会社は、8月26日、同社の抗悪性腫瘍剤「アフィニトール」が神経内分泌腫瘍(NET)に対する効能追加の承認を取得したと発表した。
同剤は、2011年12月に膵NETについて承認を取得しているが、今回の追加承認取得により消化管または肺原発のNETにも使用できるようになった。
消化管・肺・膵臓に多く発生するNET
NETは、身体機能を調節する様々なホルモンを生成・分泌する細胞から生じる希少がん。特に、消化管・肺・膵臓に多く発生する。
NETは、ホルモン産生症状を有する機能性とホルモン産生症状のない非機能性に大別される。機能性NETは、ホルモンなどの物質の過剰分泌によって、症状が生じる。しかし非機能性NETでは、多くのN患者が既に進行している状態、つまりがんが転移して治療が困難となった状態で診断される傾向がある。
2つのメカニズムで抗腫瘍効果を発揮
「アフィニトール」は、抗悪性腫瘍剤として日本で初めて承認された経口のmTOR阻害剤。がんの増殖・成長・血管新生の調節因子であるmTORタンパクを選択的に阻害し、腫瘍細胞の増殖抑制と血管新生阻害という2つのメカニズムで抗腫瘍効果を発揮する。
ノバルティス ファーマは今回の「アフィニトール」適応拡大について、新たな治療選択肢が提供でき嬉しく思うとしている。

ノバルティス、「アフィニトール」の神経内分泌腫瘍に対する効能追加承認を取得 - ノバルティス ファーマ株式会社
http://www.novartis.co.jp/news/2016/