病理診断技術と分子生物学関連技術を駆使
株式会社トランスジェニックは、8月22日、同社のグループ会社である株式会社ジェネティックラボがcell free DNA(cfDNA)の受託解析サービスを開始したと発表した。
ジェネティックラボは、2000年、北海道大学発ベンチャー第一号として設立された企業。常勤の病理医が在籍し、病理診断技術と分子生物学関連技術を駆使したサービスを展開している。
がん診断への利用が期待されるcfDNA
cfDNAは、血液中を循環しているDNAの断片。がんの進行に伴い、がん細胞から放出される割合が増加する。そのため、このcfDNAの変異やコピー数を解析することで、がん診断への利用が期待されている。
cfDNAによる診断は、従来のように組織生検(バイオプシー)を採取する必要がない。この点から、患者に痛みや苦痛をなるべく感じさせずがんの診断を可能とするリキッドバイオプシーとしても、cfDNAは注目を集めている。
今回ジェネティックラボは、理研ジェネシス社が開発した「LBxProbe」を利用し、デジタルPCRによってリキッドバイオプシーによる遺伝子変異の受託解析を実施する。従来のqPCRに代わって、高感度に絶対定量を行うことが可能だという。
今後急速に市場が拡大すると予想
cfDNAによる解析は、がん全体の情報を得ることができる。また、抗がん剤に対する抵抗性を示す耐性変異のモニタリングにもcfDNAは有効であることが報告された。本年6月には、EGFR遺伝子変異陽性の非小細胞肺がんを対象とする「タルセバ」に対して、cfDNAを用いた検査がFDAで承認されている。
トランスジェニックはこれらの事実から、cfDNAを用いた遺伝子の解析および診断は今後急速に市場が拡大すると予想している。

グループ会社ジェネティックラボにおけるcell free DNA(cfDNA)の受託解析サービス開始について - 株式会社トランスジェニック
http://www.transgenic.co.jp/pressrelease/pdf/