臓器移植患者の活動的生活習慣を支援
アステラス製薬株式会社は8月22日、香港で開催されている第26回国際移植学会議で、臓器移植患者の活動的な生活習慣を支援する世界的なプログラム「Fit for Life!」を立ち上げたことを発表した。
今回の発表は、アステラス製薬と世界移植者スポーツ大会連盟(WTGF)が共同で行ったもの。アステラス製薬は、長年に渡り世界各国の移植者スポーツ大会などを行う移植団体を支援してきたが、これまでの活動に加えて、このプログラムを通じてWTGFの活動を支援していく意向だ。
WTGFは、移植団体と臓器提供団体に関する情報の提供や、移植後の栄養管理、運動に関する研究と指導などの活動を行っている。
スポーツを通じて移植患者の生活習慣をサポート
臓器移植を受けた患者は、その後の生活習慣が悪いと臓器移植による拒絶反応のリスクが高まるおそれがあるため、健康的な生活習慣を維持することが重要になってくる。
そうした背景を受け、Fit for Life!は、臓器移植を受けた患者が運動や団体スポーツへ継続的に参加していくことを通じて、充実した活動的な生活を送れるようサポートしていく世界的なプログラムとして始まった。
世界中から選出したアンバサダーを米国シカゴへ招待
WTGFは、9月1日よりFit for Life! アンバサダーへの申し込み受付を開始する。
Fit for Life! プログラムを通じて、移植後の健康的な生活習慣の維持の重要性を啓発するための募集で、世界中のプログラム参加国の移植患者が、移植後どのように健康を維持し、活動的でいるかを表すエッセイを、インターネットから投稿。投稿されたエッセイを独立判定委員会が審査し、世界中から12名のFit for Life! アンバサダーを選出する。
Fit for Life! アンバサダーの主な活動としては、まず移植後も健康的かつ活動的に過ごし、他の移植者を元気づけることをあげている。さらに、WTGFを代表して移植施設で自らの活動や運動方法などを紹介し、スポーツプログラムに参加して他の移植者の移植者スポーツ大会への参加促進を行う。
アンバサダープログラムの判定委員会委員長は、世界的に著名な腎臓医で、移植学会の前会長であるJeremy Chapman教授が務める。なお、エッセイは日本語での投稿も可能としている。
プログラムの開始を記念して、今回選出される12名のアンバサダーは、米国イリノイ州シカゴに無料招待され、シカゴの象徴であるソルジャーフィールドでラグビーを観戦する。試合は、ワールドチャンピオンである、ニュージーランド代表オールブラックスとアイルランドラグビー協会のナショナルチームによるテストマッチ。
ラグビーは移植と縁があり、オールブラックスでウイングを務めた伝説的プレーヤーJonah Lomu、オールブラックスでウイングを務めたJoeli Vidiri、アイルランドでロックを務めたRichard Costelloは腎移植を受けている。
アステラス製薬CEOとWTGF会長のコメント
アステラス製薬の代表取締役社長CEO 畑中好彦氏は、今回のプログラムについて以下のように話した。
「移植団体の長年の支援者として、世界移植者スポーツ大会連盟と協力のもと、世界中の移植者と移植者を取り巻く大切な人々の生活に変化をもたらすための支援ができることを誇りに思っています。引き続き提携組織と協力し、移植者の課題に立ち向かいます」
以下は、世界移植者スポーツ大会連盟会長 Chris Thomas氏のコメント。
「移植者の長期的な健康の維持には体力が重要な役割を果たすことが研究によって示されています。当連盟は移植者が活動的な生活を継続できるよう尽力しています。"Fit for Life!" というメッセージは当団体のすべての人、特に移植者の方々に向けたスローガンです。私たちはこのような一流のラグビーの試合で本プログラムを紹介できることを非常にうれしく思っています。また、世界的な移植団体のために尽力し続けてくださるアステラス製薬に感謝しています」
(画像はプレスリリースより)
https://www.astellas.comf