緑内障手術への応用を検討
オンコリスバイオファーマ株式会社は、8月18日、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤「OBP-801」に関する共同研究契約を、京都府立医科大学との間で締結したと発表した。
同社が同契約を締結したのは、京都府立医科大学特任講座感覚器未来医療学・木下茂教授の研究グループ。この共同研究では、「OBP-801」の緑内障手術への応用が検討される。
新たな薬剤が期待されていた
緑内障は、房水を眼内から眼外へ排出する機能が低下することによって、眼圧が上昇する疾患。視神経が圧迫され、視野狭窄や視野欠損が生じる。現在行われている緑内障の手術は、線維柱帯切除術と呼ばれるもの。この手術では、房水の排出路である線維柱帯を切除して房水の排出を促進し、眼圧を下降させる。
線維柱帯切除術の術後には、手術の効果が減弱し、再び眼圧が上昇するという問題点がある。対策として、細胞増殖阻害薬であるマイトマイシンCを手術時に使用することが一般的となっている。しかし既存薬による効果はまだ充分とはいないため、より高い瘢痕形成抑制作用のある新たな薬剤が期待されていた。
新たな適応症の可能性を探索する
オンコリスバイオファーマは「OBP-801」について、各種固形がん患者を対象とした第1相試験を米国にて実施している。今回、同剤の新たな適応症の可能性を探索する目的で、京都府立医科大学と共同研究を実施することとなった。同研究では、緑内障手術後の瘢痕形成に対する抑制効果について、同剤を検討するとしている。
同共同研究から創出される研究成果について同社は、京都府立医科大学と検討の上、学会・論文などで適宜発表を行うという。

OBP-801 に関する京都府立医科大学との共同研究契約締結のお知らせ - オンコリスバイオファーマ株式会社
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