LCAT欠損症の治療法が承認
千葉大学(以下、千葉大)が申請していた再生医療の申請が7月27日、厚生労働省・再生医療評価部会に承認された。
千葉大が申請していたのは、2015年7月に難病指定されたレシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ欠損症(以下、LCAT欠損症)についての臨床研究である。
LCAT欠損症は、いわゆる善玉コレステロールを正常に働くために必要な酵素(LCAT)が充分にできず、様々な病気を引き起こすというものだ。また、原因はLCAT遺伝子の異常によるとされていて、現在、患者数は100万人に1人と言われている。
千葉大は2015年5月に、LCAT欠損症を対象とした遺伝子治療臨床研究の実施について厚労省から承認を受け、その研究が再生医療安全性確保法の基準を満たしていることから、今回の承認となった。
その他の難病にも期待
この治療はLCAT欠損症の患者から採取した脂肪細胞を培養して欠損しているLCAT遺伝子を導入し、治療を促すタンパク質が造り出せるようにしてから患者に戻す自家移植だ。
LCAT欠損症は治療法が確立されていない稀な遺伝疾患で、日本には30人程度の患者がいると言われている。千葉大は脂肪細胞を用いた遺伝子治療研究を行っており、この技術が血友病やライソゾーム病などの治療法開発になると言っている。

厚生労働省 再生医療等評価部会 資料
http://www.mhlw.go.jp/