長崎大学に「東芝メディカルMSラボ」を設置
国立大学法人 長崎大学と東芝メディカルシステムズ株式会社は、8月3日、熱帯感染症の診断に適した遺伝子検査システム開発に向けた共同研究を開始すると発表した。
両者は、熱帯感染症や新興・再興感染症を対象とした新たな遺伝子検査システム開発について、共同研究契約を締結。同時に、長崎大学 熱帯医学研究所内に「東芝メディカルMSラボ」を設置する。
大きな脅威となっている熱帯感染症
近年、途上国の病気と見做されていたデング熱やジカ熱といった熱帯感染症や新興・再興感染症は、グローバル化の進展により、国境を越えた問題と化した。これらの感染症は、公衆衛生のみならず世界経済にも大きな脅威となっている。
熱帯感染症などの制圧には早期診断が重要であり、原理的に高感度の検出が可能な遺伝子検査への期待は高い。しかし、複雑な前処理手順を安全に行うには検査者に一定の熟練度が要求され、検査時間全体の短縮や手順の簡易化による非熟練検査者への二次感染防止にも課題は残る。
こうした状況を受け、最新情報が集約されると共に遺伝子検出手法の研究が進められている大学と、実際に「使える」製品としての実用化を目指す企業が密に連携することで、迅速かつ簡単で安全な遺伝子検査システムの早期実用化を目指すこととなった。
完成度の高い遺伝子検査システムの開発を加速
長崎大学は、教育と研究をグローバルに展開し、熱帯感染症や新興・再興感染症に関する研究で多くの成果を重ねている。東芝メディカルは、遺伝子検査システムを用いた家畜感染症検出キットやコメ品種識別キットの製品化と共に、「エボラ出血熱迅速検査システム」実用化の実績も持つ。
両者は、学術面からのアプローチと「モノ作り」からのアプローチを融合させ、更に完成度の高い遺伝子検査システムの開発を加速させるとしている。

熱帯感染症の診断に適した遺伝子検査システム開発に向けた共同研究開始について - 東芝メディカルシステムズ株式会社
http://www.toshiba-medical.co.jp/tmd/