ライセンス契約を締結したTiGenix社と武田薬品
武田薬品工業株式会社とベルギーのTiGenix社は、8月2日、肛囲複雑瘻孔治療薬「Cx601」の臨床第3相試験について、24週時点における成績が「Lancet(オンライン版)」誌に掲載されたと発表した。
「Cx601」は、従来治療もしくは生物学的製剤による治療で効果不十分なクローン病に伴う肛囲複雑瘻孔の治療薬。TiGenix社はと武田薬品とライセンス契約を締結しており、同契約に基づき武田薬品は、米国外における「Cx601」の独占的開発・販売権を獲得している。
脂肪由来幹細胞の懸濁剤「Cx601」
クローン病は、慢性かつ炎症性の消化管疾患。現在は有効な治療が存在しない肛囲複雑瘻孔を併発する可能性を有する。
「Cx601」は、病変内に注入する同種異系の脂肪由来幹細胞の懸濁剤。同剤は、抗生物質、免疫抑制剤、または抗TNFα抗体製剤を含む標準治療で効果不十分なクローン病に伴う肛囲複雑瘻孔の治療薬として開発された。同剤は2009年、肛門瘻孔治療薬として欧州委員会よりオーファン指定を受けている。
統計学的に有意に優越を見せた
「Cx601」の臨床第3相試験は、クローン病に伴う肛囲複雑瘻孔に対する同剤の単回投与による有効性と安全性を検討すべく、無作為化二重盲検プラセボ対照の試験として実施されている。「Cx601」群はプラセボ群と比較して、主要評価項目である24週時点の複合寛解の達成率について、統計学的に有意に優越を見せたという。
なおTiGenix社は、米国において米国食品医薬品局のファスト・トラックの指定を申請する予定。指定された場合、同剤の米国における開発スピードやレビュープロセスは円滑になり、加速する可能性がある。

クローン病に伴う肛囲複雑瘻孔治療薬Cx601の臨床第3相試験のLancet誌掲載について - 武田薬品工業株式会社
http://www.takeda.co.jp/news/2016/