冷アロディニアが候補適応症
ラクオリア創薬株式会社は、8月10日、同社が探索段階にあるTRPM8遮断薬について、前臨床開発段階への移行を決定したことを明らかにした。
同社は、主要研究領域である「疼痛」分野における創薬研究の一つとして、抗がん剤使用に伴う冷アロディニアを候補適応症とするTRPM8受容体遮断薬の探索研究を行っていた。
抗がん剤の使用に伴い生じる冷アロディニア
抗がん剤使用に伴う冷アロディニアは、特定の抗がん剤の使用に伴い生じる、感覚異常の副作用。ドアノブや水への接触といった通常の生活における冷刺激を、激しい痛みとして感じる症状が現れる。症状が重い場合は日常の生活に困難をきたし、原因である抗がん剤の減量や使用中止を余儀なくされる場合もある。
TRPM8受容体は、TRPファミリーと呼ばれる温度感受性イオンチャネルの一つ。25度から28度以下の冷たい刺激に反応する冷感センサーとして知られている。そのためTRPM8受容体遮断薬は、冷アロディニアを治療する薬剤として期待されている。
全世界を対象とする導出活動を展開
抗がん剤誘発冷アロディニアの動物モデルにおいて、TRPM8遮断薬の有効性が示されたことを受け、ラクオリア創薬は探索研究段階における薬効薬理・薬物動態・安全性などの評価を終了。前臨床開発段階へ進めることを決定したという。
同社は今後、全世界を対象とするTRPM8遮断薬の導出活動を展開することで、製薬企業などとのパートナーシップを早期に築きたいとしている。

TRPM8遮断薬の前臨床開発段階への移行のお知らせ - ラクオリア創薬株式会社
http://www.raqualia.co.jp/topics/4269.html