医薬品医療機器総合機構に対し申請
帝人ファーマは、フランスのイプセン社から導入している先端巨大症および下垂体性巨人症治療剤「ソマチュリン(R)皮下注」(一般名:ランレオチド酢酸塩)について、独立行政法人医薬品医療機器総合機構に対し、神経内分泌腫瘍(以下、NET)への適応追加申請を行ったことを発表した。
ソマチュリン
ソマチュリン(R)皮下注は持続性ソマトスタチンアナログ(ランレオチド)徐放性製剤。先端巨大症患者の脳下垂体に生じた良性腫瘍(腺腫)から過剰に分泌されているGHの分泌を抑えることによって、先端巨大症の症状の進行を抑制。その特性として、針刺し事故防止装置が備わった注射針付きプレフィルドシリンジ製剤であることがあげられる。
今回の適応追加申請は、イプセン社が欧米14カ国で実施した大規模臨床試験と帝人ファーマが国内で有効性・安全性を確認した2013年以降の第2相臨床試験結果に基づくもの。NET治療の第1選択肢である手術による腫瘍切除で、困難な場合に、投与される既存薬剤は腫瘍が発生した臓器によって投与される薬剤が限定されるため、様々な患者に使用できる薬剤に対するニーズに応えたものとなる。
NET
NETとは、ホルモンを分泌する細胞で全身に存在する神経内分泌細胞から発生する悪性腫瘍のことで、胃や腸などの消化管、すい臓、肺を中心に全身の様々な臓器に発生。自覚症状はなく、腫瘍から分泌されるホルモンが人体に強く影響した場合、腹痛や紅潮、下痢、喘鳴などの呼吸器症状をもたらすことがある。
また、他の臓器に転移することによって、臓器自体の機能不全を引き起こし生命を脅かすこともある。比較的発症割合は低い(10万人に約5人)が、罹患率は増加傾向にあるとされている。

帝人ファーマニュースリリース
http://www.teijin-pharma.co.jp/information/2016/