小児患者への承認なるか
アッヴィ合同会社(以下、アッヴィ)とMeiji Seikaファルマ株式会社(以下、Meiji)は、2016年7月25日、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(以下、SSRI)である、「フルボキサミンマレイン酸塩(以下、フルボキサミン)」一般名、販売名:「ルボックス(R)」(アッヴィ)、「デプロメール(R)」(Meiji)の小児強迫性障害治療に対する承認を申請したと発表した。
世界との壁
フルボキサミンは、国内では現在、成人に対する「うつ病およびうつ状態」、「強迫性障害」、「社会不安障害」の適応で販売されているが、小児に対しては全く承認されていない。しかし、欧米を始め、世界約90カ国ではすでに承認されている。
さらに、小児の場合、患者本人が自覚しづらいもしくは家族に隠す傾向があることと、家族が病気と認識していない場合もあり、国内での実際の患者数は実際にはさらに多いと考えられている。
安全性の高い治療へ
強迫性障害の原因のひとつとして、脳内のセロトニンが少なくなっていることが考えられている。そのため、SSRIであるフルボキサミンを摂取することで、セロトニンが吸収、分解されないように阻害し、セロトニンの量を正常に保つことで、障害が起きにくくしている。
また、フルボキサミンは、他の抗うつ剤に比べ、安全性が高く、副作用が少ないと言われており、日本でも承認されれば、小児患者本人とその家族への負担が大幅に軽減されると期待される。

アッヴィ合同会社プレスリリース
http://www.abbvie.co.jp/Meiji Seikaファルマ株式会社プレスリリース
http://www.meiji-seika-pharma.co.jp/