服薬アドヒアランス向上が目的
ノバルティス ファーマ株式会社は、7月28日、輸血による慢性鉄過剰症の治療薬「エクジェイド懸濁用錠」の新剤形について製造販売承認申請を行ったと発表した。
今回申請が行われた同剤の新剤形は、顆粒剤。服薬アドヒアランス向上を目的として、開発されたという。
世界100カ国以上で承認されている鉄キレート剤
難治性貧血のために赤血球輸血を繰り返し必要とする患者は、頻回の輸血により体内に過剰な鉄が蓄積され、慢性の鉄過剰症を発症する。適切な除鉄治療を行わない場合、心不全や肝障害、糖尿病といった重篤な合併症を引き起こすリスクがある。
「エクジェイド」は、輸血による慢性鉄過剰症の治療薬として、世界100カ国以上で承認されている経口投与能な鉄キレート剤。日本では、2008年4月に「輸血による慢性鉄過剰症(注射用キレート剤治療が不適当な場合)」を効能または効果として製造販売承認を取得している。
慢性鉄過剰症患者のQOL向上に貢献
「エクジェイド」はこれまで、懸濁の手間や空腹時投与といった使い勝手の悪さに加えて、懸濁液の食味の悪さなどが、鉄キレート療法を継続する際の障害となっていた。ノバルティスは、服薬アドヒアランスを向上させるべく新剤形を開発。今回の製造販売承認申請に至っている。
同社は今後も、輸血による慢性鉄過剰症患者のQOL向上および予後の改善に貢献するとしている。

輸血による慢性鉄過剰症の治療薬として、鉄キレート剤「エクジェイド」の新剤形を申請 - ノバルティス ファーマ株式会社
http://www.novartis.co.jp/news/2016/