皮膚疾患領域の新規生物学的製剤
中外製薬株式会社とGalderma Pharma S.A.(以下「ガルデルマ社」)は、7月21日、皮膚疾患領域の新規生物学的製剤「nemolizumab(CIM331)」に関するライセンス契約を締結したと発表した。
「nemolizumab」は、中外製薬がアトピー性皮膚炎および透析掻痒症を予定適応症として開発中の、抗IL-31レセプターAヒト化モノクローナル抗体。
IL-31とそのレセプターの結合を阻害
「nemolizumab」は、IL-31とそのレセプターの結合を競合的に阻害することで、IL-31の作用を抑制するようデザインされた抗体医薬。中外製薬が、独自の抗体改変技術ACT-Ig(血中半減期延長技術)を用いて創出した。IL-31は掻痒誘発性サイトカインであり、アトピー性皮膚炎および透析患者さんにおける掻痒の発生に関与していることが報告されている。
同剤は現在、中等症から重症のアトピー性皮膚炎を対象とした第2相国際共同治験が、中外製薬による主導の下、欧米・日本を含む5カ国で実施されている。同試験において「nemolizumab」は、12週時の良好な有効性と安全性が確認された。また国内において同剤は、透析掻痒症を対象とした第2相臨床試験が進行している。
全世界における開発・販売の独占的実施権を許諾
今回「nemolizumab」に関するライセンス契約を中外製薬と締結したガルデルマ社は、スイス・ローザンヌに本社を置き皮膚科に特化した製薬企業。現在は100カ国で製品を提供しており、皮膚科領域において幅広いポートフォリオを所有している。
同契約締結により中外製薬は、「nemolizumab」の日本・台湾を除く全世界における開発・販売の独占的実施権を、ガルデルマ社へ許諾する。また、ガルデルマ社に対する製品の供給も行う。

皮膚疾患領域の新規生物学的製剤nemolizumab(CIM331)のライセンス契約締結に関するお知らせ - 中外製薬株式会社
http://www.chugai-pharm.co.jp/news/