5年間の試験結果データ公表
2016年7月19日、武田薬品工業株式会社は、Seattle Genetics, Inc.と進めていた、再発・難治性の古典的ホジキンリンパ腫患者に対する、アドセトリスを単独投与した臨床第2相試験の最終データが、米国血液学会発行の週刊誌「Blood」のオンライン版に掲載されたことを発表した。今後、「Blood」本誌にも掲載される予定。
結果データ内容
当試験の最終結果データによると、全生存期間の中央値は40.5ヶ月、無増悪生存期間の中央値は、9.3ヶ月。推定5年生存率は41%、無増悪生存率は22%だった。
治療を受けた102例の患者のうち、34例(33%)が完全寛解を示した。また、完全寛解を示した患者において、推定5年生存率は64%、5年無増悪生存率は52%だった。
完全寛解を示した34例のうち、13例(38%)は追跡調査を継続し、試験終了時に5年以上にわたる寛解を持続。これらの患者のうち、4例は寛解中に同種造血幹細胞移植による地固め療法を受け、9例についてはそれ以上の治療を受けていなかった。
レベルを問わず、最も一般的な有害事象は、末梢感覚神経障害、倦怠感、吐き気、好中球減少、下痢だった。治療により発現した末梢神経障害は、56例の患者(55%)で認められたが、88%は末梢神経障害の症状改善を示し、73%では完全な消失が認められた。
グローバルスタンダードへ
これまでは、自家造血幹細胞移植後に再発したホジキンリンパ腫の患者に対し、唯一の治療選択肢は同種造血幹細胞移植と考えられていたが、アドセトリスは、古典的ホジキンリンパ腫の病理的特徴である、CD30を標的とした抗体薬物複合体で、現在、世界中で基礎的治療薬としての評価が実施されている。
今回の試験結果を公表することにより、再発ホジキンリンパ腫患者への治療としてアドセトリスの役割がより強固になると考えられる。

武田薬品工業株式会社ニュースリリース
http://www.takeda.co.jp/news/2016/