日本人での臨床試験結果発表
ヤンセンファーマ株式会社は、2016年7月7日から9日に京都で開催された、第4回AOCC(Asian Organization for Crohn's & Colitis)で、ヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体製剤「ゴリムマブ(遺伝子組み換え)」(以下、ゴリムマブ)について、日本人潰瘍性大腸炎患者を対象とした国内第3相臨床試験の結果を発表した。
今回の試験では、ゴリムマブによる寛解導入治療法にて6週時に臨床効果が認められた患者に対し、寛解維持治療を行った結果、60週まで臨床効果が維持された患者の割合は、ゴリムマブ群56.3%、プラセボ群19.4%だった。また、安全性の懸念は特に認められなかった。
潰瘍性大腸炎での承認申請中
本試験結果および過去に日本が参加した国際共同第2、第3相臨床試験の結果をもとに、2016年4月、厚生労働省に対し、ゴリムマブを中等症から重症の潰瘍性大腸炎の寛解導入および維持治療薬として、適応追加を目的とした承認申請を行っている。
ゴリムマブは、日本では、2011年9月に関節リウマチ治療薬として承認されている。また、海外では、すでに潰瘍性大腸炎の治療薬としても承認されている。
新たな選択肢となるか
潰瘍性大腸炎は原因不明の難病で、現在のところ、完治する治療法は発見されていない。服薬と規則正しい生活習慣により、寛解を維持ことができている患者も多いが、再発率も高い。
今回のゴリムマブが承認されれば、寛解導入および維持治療薬の新しい選択肢の1つとして、様々な患者のケースへの対応できるようになると考えられる。

ヤンセンファーマ株式会社プレスリリース
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