骨が溶ける細胞の働きを可視化
大阪大学免疫学フロンティア研究センターは6月7日に顕微鏡で実際に骨を溶かす細胞を可視できるようになったことを「NatureChemical Biology」に発表した。
これは科学分子イメージングの菊地教授と免疫細胞生物学の石井教授らのグループの研究によるもので、独自に開発した 生体2光子励起イメージングを用いて、生体そのままのマウスの体内で起こる破骨細胞の機能の可視化を成功させた。
今回の可視化は特定の分子に反応する蛍光プロープを作り、骨を溶かす場所で光るようにしたことから、活性破骨細胞を検出できるようになり、また、破骨細胞が骨を溶かす強さの定量化にも成功したという。
早期診断や新規治療薬にも期待
この破骨細胞には古くなった骨を溶かして再生するという機能があり、骨の成長や修復に関わる細胞であるが、骨粗しょう症や関節リウマチなどその機能の異常が起因とされる病気もある。
今までこの破骨細胞の機能については、培養した細胞を基に試験管などで行うものが主流で、実際の細胞とは異なるため、正しく評価することができなかったが、生体そのままの状態で機能評価できることによって、患部の早期診断や新規治療薬のスクリーニングなどが期待できるとしている。
(画像はプレスリリースより)

破骨細胞の機能を動物体内でリアルタイムに可視化 (菊地グループと石井グループがNature Chemical Biologyに発表)
http://www.ifrec.osaka-u.ac.jp/