開発の要請を受けて
グラクソ・スミスクライン株式会社(以下、GSK)は、2016年6月27日、小児のマラリア予防に対応した抗マラリア剤「マラロン小児用配合錠」を発売した。
「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で必要性が高いと評価され、厚生労働省の要請により開発された「マラロン配合錠」。
同剤はニューモシスチス肺炎の治療薬であるアトバコンと、海外のマラリア予防薬、プログアニル塩酸塩との配合錠で、2015年12月、製造販売承認を取得した。成人と体重11kg以上の小児におけるマラリアの治療と、成人と体重40kgを超える小児のマラリアの予防を適応とする。
海外ではマラリアに対する治療、予防の標準薬剤とされ、英国、米国など約70カ国で承認されている。
高まる感染リスク
「マラロン小児用配合錠」は、体重5kg以上11kg未満の小児のマラリア治療と、体重11kg以上40kg以下の小児のマラリア予防に対応している。
同剤は、2016年3月28日、「マラロン配合錠」の用法・用量の変更に係る製造販売承認事項一部変更承認申請と、「マラロン小児用配合錠」の用法・用量の変化を含む剤形追加に係る製造販売承認を取得した。
GSK社長、フィリップ・フォシェによると、マラリア流行地域への渡航が増えて感染リスクが高まるなか、国内に小児を適応とする抗マラリア剤がないこと、公衆衛生上、低体重の小児も適応対象とする必要があることから、同剤を開発したという。

グラクソ・スミスクライン株式会社 プレスリリース
http://jp.gsk.com/