新製法のiPSC-CM
タカラバイオ株式会社から、ヒトiPS細胞由来研究用心筋細胞製品(以下、iPSC-CM)が6月22日、日本国内で販売開始された。
製品名は、MiraCellTMCardiomyocytes (from ChiPSC12)、製品コードは、Y50010となる。製品形態は、購入者の要望に応じ、凍結細胞、非凍結細胞のいずれにも対応する予定。
新たな成果に期待
一般的なiPSC-CM製品は、心筋細胞のみで発現する薬剤耐性遺伝子を人為的に導入したiPS細胞から作製し、その後、心筋細胞以外の細胞を薬剤によって死滅させるという方法で心筋細胞の純度を高めたものが多い。
今回開発されたiPSC-CMは、京都大学iPS細胞研究所の山下潤教授により、研究開発されたヒト心筋細胞の作製技術を、タカラバイオ株式会社がiHeart Japan株式会社から2014年6月に導入し、共同で進めてきた研究開発により得られたものである。
そのため、当製品は、薬剤耐性遺伝子による影響を考慮する必要なく、心毒性評価などに用いることができる。
今後の見通し
タカラバイオ株式会社は、6月29日から開催される、第43回日本毒性学会学術年会において、本製品を使用した心毒性評価の研究成果を発表する予定となっている。
平成27年8月7日に改訂された、文部科学省発表の「iPS細胞研究ロードマップ」によれば、心筋に関するiPS細胞を用いた再生医療研究は、本年は2年程度の臨床応用開始時期に入っており、本製品を含めた臨床研究の成果が、早期に世界中の重症心不全患者等への治療に生かされることが、大いに期待されている。

タカラバイオ株式会社ニュースリリース
http://www.takara-bio.co.jp/release/?p=3299