被験者の登録ペースが遅れる
アンジェス MG株式会社は、海外における重症虚血肢を対象としたHGF遺伝子治療薬の開発戦略の変更を2016年6月20日に決定したと発表した。
同社は、海外での承認申請を行うため、2014年10月から重症虚血肢を対象とした HGF遺伝子治療薬のグローバル第3相臨床試験に取り組んできた。
日本を除いた北米、欧州など15カ国でデータを取得する予定であったが、このたび、約500例を目指していた被験者の登録ペースが想定より遅く、期間と費用が見込みを超えることが明らかになった。
新たな臨床試験計画を協議
同社は現行の第3相臨床試験を終了し、海外での早期の実用化に向けて、新たな臨床試験を実施し、承認申請時期を遅らせずにデータを取得する方針を固めた。
これに伴い、投与された患者に重症虚血肢の主要な臨床症状となる潰瘍、痛みの改善が認められることを有効性の評価とする、あるいは、重症虚血肢治療に実績がある米国内の施設での臨床試験に限定する、などの試験計画の変更を取り入れていく予定である。
同社は、これまでの臨床試験でHGF遺伝子治療薬を原因とする重大な安全性の問題は確認されておらず、FDAとの協議により今後の試験計画を明らかにするとしている。
また、条件および期限付き承認の獲得を目指した国内の開発については予定どおり行うとし、今回の開発戦略の変更で研究開発費用は削減が予想されるが、業績への影響は精査中であることにも触れている。

アンジェス MG株式会社 ニュースリリース
http://www.anges-mg.com/