患者30名を被験者として登録
アボット ジャパン株式会社は、6月23日、僧帽弁閉鎖不全症に対する同社の新規カテーテルデバイス国内臨床試験について、症例登録が完了したと発表した。
この治験では、全国6箇所の治験実施医療機関にて重度の変性性僧帽弁閉鎖不全症患者30名が被験者として登録され、臨床試験結果は独立行政法人 医薬品医療機器総合機構への製造販売承認申請へ用いられる。
低侵襲治療のニーズが高まっていた
僧帽弁閉鎖不全症は、僧帽弁の弁が完全に閉じないために心臓の血液が逆流する疾患。心不全を引き起こし、やがて死に至る。米国では400万人以上が罹患している一般的な病気であり、日本では心不全患者のうち半数以上が同疾患を有していると推定されている。
僧帽弁閉鎖不全症は現在、開心術による僧帽弁の外科的手術が標準的治療となる。しかし、外科的手術を受けることができない高齢患者などの場合、内科的治療で症状のコントロールにとどめることになるため、低侵襲治療のニーズが高まっていた。
新規僧帽弁治療の有効性と安全性を検証
アボットのクリップを用いたカテーテル治療法は、外科的な開心術を必要とせず、僧帽弁逆流の改善が可能にする。このカテーテル式の医療機器は、脚の血管である大腿静脈を介して心臓に挿入。カテーテル先端にあるクリップを留置した後は、心臓が血液をより効率的に送り出すことを可能とするため、症状の改善とQOL改善が期待されている。
なお今回実施される治験では、アボットのクリップを用いたカテーテルによる新規僧帽弁治療の有効性と安全性が検証される。

僧帽弁閉鎖不全症に対するアボットの新規カテーテルデバイス、国内臨床試験の症例登録を完了 - アボット ジャパン株式会社
http://www.abbottvascular.jp/company/press