森下仁丹、新規事業分野へ
森下仁丹株式会社は、平成28年6月16日、アンジェスMG株式会社の保有する日本、米国、中国及び英国における、経口投与型子宮頸部前がん病変治療ワクチン(以下、CIN治療ワクチン)の、独占的開発、製造、販売に関する権利の許諾を受けたことを発表した。
2社は、CIN治療ワクチンの研究開発の推進に関し、基本同意し、今後、正式契約を締結の上、外部研究機関や企業と事業体制の構築を図っていく考えである。
世界初、経口ワクチンへの期待
現在、CIN治療ワクチンの開発は、東京大学大学院医学系研究科産婦人科学講座の川名敬准教授(東京大学医学部付属病院女性外科副科長)のグループにより、医師主導臨床研究として進められている。
開発が進み、製品化となれば、世界初の経口治療ワクチンとなる。既存の子宮頸がんワクチンにおける副作用への不安の高まりもあり、より安全で、効果的なワクチンの開発が求められている。
CIN治療ワクチンの働き
子宮頸がんの原因ウイルスである、ヒトパピローマウイルス(以下、HPV)は、感染しても90%以上の場合、2年以内に自然に排出されるとされている。しかし、何らかの原因でHPVが自然に排出されず、数年から数十年に亘り持続的に感染した場合、がんになることがあると報告されている。
CIN治療ワクチンは、このHPVのタンパク質に対する特異的な細胞性免疫を子宮頸部粘膜へ効率的に誘導するため、子宮頸部の前がん病変を退縮させたり、消失させることができ、経口投与で子宮頸がんへの移行回避の効果が期待されている。

森下仁丹株式会社ニュースリリース
http://www.jintan.co.jp/file/newspdf000178.pdf