ゲムシタビンとの併用療法を実施
ナノキャリア株式会社は、2016年6月16日、NC‐6004について行われた国内臨床第1相試験の概要が、6月3日~6月7日にシカゴで開催した米国癌腫瘍学会(ASCO 2016)の抄録集に掲載されたことを発表した。
臨床試験はNC-6004とゲムシタビンとの併用療法を日本人患者12名に実施したもので、NC-6004を60mgおよび90mg/体表面積を3週間に1回、ゲムシタビン1,000mg/体表面積を3週間に2回投与した結果、81.8%の病勢コントロール率が得られた。
毒性として好中球減少症と血小板減少症が観察される一方で、予め制吐剤を投薬しないでも悪心、嘔吐がグレード3以上を示すことはなかった。用量制限毒性(DLT)としてNC-6004の90mg群の2名にグレード4の好中球減少症と血小板減少症が認められた。
第3相臨床試験をアジアで実施中
このたびの臨床試験により、日本人の固形がんに対して、ゲムシタビンとの併用療法におけるNC-6004の推奨投与量を90mg/体表面積とすることを決定した。
また、NC‐6004の投与により、急性腎障害が従来のシスプラチンの約70%から30%低減していることがPK/PDモデル解析で明らかになった。
現在、膵がんを対象とした第3相臨床試験がアジア地域で実施されており、2015年から日本も参画している。

ナノキャリア株式会社 プレスリリース
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