富士フイルム、「アビガン錠」の特許ライセンス契約を中国大手製薬会社と締結

富士フイルム株式会社は、6月22日、抗インフルエンザウイルス薬「アビガン錠200mg」の有効成分「ファビピラビル」に関する特許ライセンス契約を、中国大手製薬会社と締結したことを明らかにした。

富士フイルムが同契約を締結したのは、中国・浙江省の海正薬業。締結は6月21日に行われている。

「アビガン錠」は、富士フイルムグループの富山化学工業株式会社が創製した抗インフルエンザウイルス薬。日本では、2014年3月に製造販売承認を取得している。

インフルエンザウイルスは、感染した細胞内で遺伝子を複製し、増殖・放出することで他の細胞に感染を拡大する。既存薬の多くは、増殖したウイルスの放出を阻害することで感染の拡大を防ぐノイラミニダーゼ阻害剤だが、「アビガン錠」はそういった既存薬とは異なる作用メカニズムを持つ。

「アビガン錠」は、細胞内でのウイルスの遺伝子複製を阻害することで増殖を防ぐ。このメカニズムは、実験動物で各種鳥インフルエンザウイルスに対する抗ウイルス作用が確認されている。

中国では、通常の季節性インフルエンザの他にも、鳥インフルエンザのヒトへの感染が確認されている。さらに、鳥インフルエンザウイルスがパンデミックに繋がることも懸念されており、新たな治療薬の開発ニーズが高まっていた。

今回締結された契約に基づき富士フイルムは、「ファビピラビル」の関連特許を用いた抗インフルエンザウイルス薬の開発・製造・販売を中国で行う権利を海正薬業に対して許諾する。




抗インフルエンザウイルス薬「アビガン錠」に関する特許ライセンス契約を中国大手製薬会社と締結 - 富士フイルム株式会社
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