転移性ホルモン感受性前立腺がん治療に期待
6月3日、バイエル社(ドイツ)とオリオン社(フィンランド)は、前立腺がんの分野で開発中のアンドロゲン受容体(AR)拮抗薬、BAY-1841788(ODM-201)の国際的な臨床開発プログラムを拡大すると発表。
新規アンドロゲン受容体拮抗薬を評価する転移性ホルモン感受性前立腺がんに関する、第Ⅲ相試験、ARASENSを開始する予定。これまで、治療法に選択肢の少なかった初期のホルモン感受性段階にある転移性疾患に対し、効果的で優れた治療候補になるのではと期待される。
ARASENSについて
新しい第Ⅲ相臨床試験であるARASENSは、新規に転移性ホルモン感受性前立腺がんと診断され、ファーストラインのホルモン療法を開始している男性において、標準的なアンドロゲン遮断療法(ADT) 及び化学療法であるドセタキセルとの併用下でBAY-1841788(ODM-201)を評価するもの。
本剤は開発中の経口AR拮抗薬であり、ARと高い親和性で結合し、受容体を阻害することによりがん細胞の増殖 を阻害する独自の化学構造をもっている。2016年末頃に患者登録を開始する見込み。
エンドポイントは
この研究の主要エンドポイントは、全体としての生存期間である。
また、副次的なエンドポイントとして、去勢抵抗性前立腺がんまでの期間、次の抗腫瘍 療法開始までの期間、症候性骨関連事象のない生存期間、症候性骨関連事象の初回発現までの期間、オピオイド使用 開始までの期間、疼痛憎悪までの期間、疾患の身体症状悪化までの期間と安全性がある。
そのため、二社へは、今後も長期継続的に安定した研究への協力関係が求められる。

バイエル薬品株式会社プレスリリース
http://byl.bayer.co.jp/html/press_release/2016/news2016-06-10.pdf