重症喘息の治療薬
グラクソ・スミスクライン株式会社は、6月7日、抗インターロイキン-5(IL-5)抗体薬「ヌーカラ皮下注用100mg(以下「ヌーカラ」)」を発売した。
同剤は、成人および12歳以上の小児に対する「気管支喘息(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない難治の患者に限る)」の効能・効果で、本年3月28日に承認を取得している。
症状コントロールが難しい重症喘息
喘息患者の多くは、既存の治療薬を適切に使用することによって症状をコントロールすることができる。しかし患者の5%以下は重症喘息であり、既存の治療法での症状コントロールは難しい。
重症喘息患者においては、好酸球(白血球の一種)の産生亢進が肺の炎症を引き起こし、気道に影響を与えることで喘息発作の頻度を増加させることが明らかになっている。
IL-5は、好酸球の増殖、活性化および生存を促進する主要因子であり、骨髄から肺への好酸球の遊走にも深く関与。重症喘息患者の約60%に、好酸球性の気道炎症が認められていることが示唆されている。
IL-5結合を阻害、好酸球数を減少
「ヌーカラ」は、IL-5を標的とした初の生物学的製剤。好酸球の表面にあるIL-5受容体に、IL-5が結合することを阻害する。この作用により、血中・組織・喀痰に含まれる好酸球数を減少させる。
グラクソ・スミスクラインは今後も、研究に基盤を置き世界をリードする医薬品およびヘルスケア企業として、生活の質の向上に全力を尽くすとしている。

「ヌーカラ皮下注用100mg」発売のお知らせ - グラクソ・スミスクライン株式会社
http://jp.gsk.com/jp/media/press-releases/20160607