オートファジーの分子基盤を発見
米国のジョンソン・エンド・ジョンソンは、6月8日、2016年度『ポール・ヤンセン生物医学研究賞』の受賞者を発表した。
同賞は、世界的に著名な科学者たちで構成される独立選考委員会が審査を行う表彰制度。受賞したのは、東京工業大学の細胞生物学者・大隅良典博士。オートファジー(自食作用)の分子基盤を世界で初めて発見した功績が認められての受賞となった。
健康障害における分子機序の理解を促進
オートファジーは、全ての生体細胞で起こる現象であり、細胞機能の維持や修復、また飢餓状態下でエネルギー生産を行うための機能。
大隅博士はこのメカニズムを、酵母細胞を用いて最初に発見した。そして、この現象が植物から人類に至るあらゆる生命体で認められる細胞の最も基本的な機能であることも確認。オートファジー機能の破綻に関する研究はその後、癌やアルツハイマー病など多くの健康障害における分子機序の理解を促進させている。
ポール・ヤンセン博士の栄誉を讃える賞
『ポール・ヤンセン生物医学研究賞』は、ジョンソン・エンド・ジョンソンがポール・ヤンセン博士の栄誉を讃えるべく、2004年に創設した表彰制度。ポール・ヤンセン博士は、80以上の医薬品の発見と開発に貢献し、発見した医薬品のうち4つがWHOの必須医薬品リストに収載されている。
なお大隅良典博士は、6月8日、サンフランシスコで開催された2016年BIOインターナショナル・コンベンションのイベントにて、同賞の表彰を受けた。

大隅良典博士が2016年ポール・ヤンセン生物医学研究賞を受賞 - ヤンセンファーマ株式会社
http://www.janssen.com/japan/press-release/