Avastinの併用療法として初
2016年6月8日、ロシュ社は、上皮増殖因子受容体(EGFR)遺伝子変異陽性の切除不能な進行、転移性または再発非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)の成人患者の一次治療におけるAvastin(bevacizumab)とTarceva(erlotinib)の併用療法について、欧州委員会が承認したことを発表した。
AvastinとTarcevaの併用治療の承認により、EGFR遺伝子変異陽性のNSCLC患者に対する新たな標準治療となる。
EGFR遺伝子変異陽性NSCLC
一般的なタイプの肺がんであるNSCLCは、肺がんと診断された全患者の85%を占めている。
EGFR活性化変異は、EGFRタンパクの構造および機能に変化をもたらし、EGFRシグナル伝達が常に活性化している状態を引き起こす。これは、細胞増殖や細胞分裂の加速、血管新生および転移の促進を誘発する可能性があり、NSCLCに罹患している約10-15%の欧州人でEGFR活性化変異が認められている。
Avastin・Tarceva
Avastinは2004年に米国で進行性結腸・直腸がんに対して始めて承認され、現在、欧州では進行期の乳がん、大腸がん、非小細胞肺がん、腎がん、卵巣がん、および子宮頸がんの治療薬として承認されている。
日本におけるAvastinの効能・効果は進行期の大腸がん、非小細胞肺がん、乳がん、卵巣がん、および新たに診断された膠芽腫を含む悪性神経膠腫である。
また、Tarcevaは、進行または転移性NSCLCの治療に用いる非化学療法剤で、がんの増殖と成長に関わるタンパクであるEGFRを阻害する。米国ではアステラスファーマUSとジェネンテック社、日本では中外製薬、その他の国々ではロシュ社が開発と販売を行っている。
主要な第II相臨床試験であるJO25567試験において、AvastinとTarcevaの併用療法を受けた患者では、Tarcevaの単独療法を受けた患者と比較して、病勢進行または死亡の相対リスクを統計学的有意に46%減少させた。

中外製薬株式会社 プレスリリース
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