ホジキンリンパ腫の適応で
武田薬品工業株式会社は、5月30日、悪性リンパ腫治療剤「アドセトリス」に対する欧州医薬品評価委員会(CHMP)の審議結果を発表した。
この審議は、同剤の自家造血幹細胞移植後のホジキンリンパ腫に対する地固め療法について行われたもの。CHMPは、同剤の承認を推奨する見解を出している。
残存病変の徹底的な治療が再発予防に
リンパ腫は、リンパ系に由来するがんの総称。ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫の2つに大別される。ホジキンリンパ腫は、特徴的な類型の細胞であるReed-Sternberg細胞の存在によって、他のリンパ腫と区別される疾患。
初回治療の化学療法が無効なホジキンリンパ腫の標準療法は、自家造血幹細胞移植となる。しかし、多くの患者に再発が見られるため、「アドセトリス」による残存病変の徹底的な治療が再発予防につながると武田薬品は認識。CHMPにおいて現在条件付きで承認されている同剤の適応の拡大を目指した。
無増悪生存期間を改善
今回のCHMPによる承認推奨の見解は、「アドセトリス」の臨床第3相試験の結果に基づいている。同試験においてアドセトリス投与群は、無増悪生存期間について有意な改善を示したという。
CHMPの同剤に対する承認推奨の見解は、今後、欧州委員会(EC)が審議。ECにより正式に採用された場合、同剤の適応追加はEU諸国の28ヵ国、ノルウェー、リヒテンシュタイン、アイスランドで承認されることになる。

悪性リンパ腫治療剤「アドセトリス」関する欧州医薬品評価委員会(CHMP)の審議結果について - 武田薬品工業株式会社
http://www.takeda.co.jp/news/2016/2016