エーザイ・インクとノバルティス社で
エーザイ株式会社は6月3日、米国子会社のエーザイ・インクと、Novartis AGの米国子会社Novartis Pharmaceuticals Corporation(ノバルティス社)が、抗がん剤『レンビマ』(レンバチニブメシル酸塩)とエベロリムスの併用療法に関する米国内での共同販促契約を締結したと発表した。
レンビマについて
『レンビマ』は、新規結合型チロシンキナーゼ阻害剤。米国では「局所再発又は転移性、進行性、放射性ヨウ素治療抵抗性分化型甲状腺がん」、日本では「根治切除不能な甲状腺がん」、欧州では「成人での放射性ヨウ素治療抵抗性の進行性又は再発の分化型甲状腺がん(乳頭がん、濾胞がん、ヒュルトレ細胞がん)」など、世界40か国以上で承認を取得している。
エベロリムスについて
エベロリムス(米国製品名アフィトニール)は、mTOR阻害薬に分類される分子標的薬。米国、欧州など世界112か国で、膵原発の局所進行、転移性または切除不能の進行性非機能性神経内分泌腫瘍を適応として承認されている。そのほか、転移性腎細胞がんの治療薬として、またホルモン受容体陽性/HER2陰性の進行性乳がんに対する併用療法としてなど、国ごとに異なる承認を受けた適応症もある。
レンビマとエベロリムスの併用療法
『レンビマ』については、根治切除不能または転移性腎細胞がんの二次治療の標準療法に比べて、無増悪生存期間の有意な延長が認められ、5月13日に「血管新生阻害薬の前治療歴を有する進行性腎細胞がんに対するエベロリムスとの併用療法」を適応に、米国食品医薬品局(FDA)から追加承認を取得した。
米国で併用療法の利用を推進
腎臓のがんの約9割と言われる腎細胞がんのうち、手術が難しい進行または転移性腎細胞がんでは、分子標的薬が標準治療とされているが、5年生存率は低く、予後が悪いことで知られている。このたびの提携では、医療従事者に対する科学的エビデンスの提供なども連携して行うこととなり、がん治療の現場において、新しい選択肢として定着することが期待される。

エーザイ株式会社 ニュースリリース
http://www.eisai.co.jp/news/news201639.html日経プレスリリース
http://release.nikkei.co.jp/detail.