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2025年05月17日(土)
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タンパク質分子の機能的動き 水分子が深く関与

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タンパク質分子の機能的動き 水分子が深く関与

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創薬基盤技術に波及へ期待
2016年5月20日、慶應義塾大学理工学部・中迫雅由教授らの研究グループは、タンパク質分子の表面近傍に存在する「水和構造」の研究を行い、生命現象の素過程を担うタンパク質分子の機能的動きに水分子が深く関わっていることを示し、生物が水を必要とする理由の一端をナノメートルのスケールで明らかにしたことを発表した。

創薬
背景
生命の営みには「水」が不可欠である。生命が水を必要とする大きな要因として、生命活動の素過程を担うタンパク質分子が、水環境において構造形成し機能することが挙げられる。

タンパク質分子と水分子の動きを詳細に観察する手法として分子動力学(MD)シミュレーションがあるが、タンパク質運動における水和構造の役割を調べることは容易ではなく、これまで積極的な取り組みがなされていなかった。

研究成果
今回、X線構造解析で得た酵素タンパク質の分子モデルを約20nm立方の仮想的な水に漬け、含まれる水分子と酵素分子モデルを合わせて約27万もの原子で構成された分子モデルの集合体に対して、200ナノ秒のMDシミュレーションを行った。

その結果、1ナノメートルに満たない表面のくぼみ中の水和構造変化に連動して、ドメイン運動が起こっていたことがわかった。くぼみは他の水分子を吸着しやすく、水和水分子の吸着がドメインの動きを段階的に変化させる役割を担い、タンパク質の機能に関わる運動を制御しているとの結論が得られた。

今回の研究によって、タンパク質分子との界面において、水分子が積極的に生体分子の機能に関わることを、初めて具体的に示された。今後、水和構造のより詳細な解析によって、薬剤分子とタンパク質間の相互作用における水分子の役割を明確にし、創薬基盤技術への波及が期待される。

(画像はプレスリリースより)


外部リンク

慶應義塾大学 プレスリリース
http://www.keio.ac.jp/ja/press_release/2016/osa3qr000001


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