T790M遺伝子変異に特化して開発
アストラゼネカ株式会社は、5月25日、抗がん剤「タグリッソ40mg」「同80mg錠」の日本国内発売を開始した。
同剤は、「上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)に抵抗性のEGFR T790M変異陽性の手術不能または再発非小細胞肺がん(NSCLC)」を効果・効能とする薬剤。世界で初めて、T790M遺伝子変異に特化し開発が行われている。
新たな治療選択肢となることが期待
「タグリッソ」は、アストラゼネカが開発した1日1回投与の新規経口分子標的治療薬。
同剤は、既存のEGFR-TKIとは異なる新規の作用機序を持ち、EGFR-TKI治療耐性に関連するT790M遺伝子変異陽性EGFRチロシンキナーゼを不可逆的に阻害する。そのため、EGFRTKI薬剤耐性獲得患者の新たな治療選択肢となることが期待されている。
また同剤は、野生型EGFRチロシンキナーゼに対する阻害作用が少ない。従来のEGFR-TKIにみられる下痢や皮膚症状といった副作用発現の軽減も可能性として考えられているという。
医薬品リスク管理計画書に基づき
日本における「タグリッソ」の製造販売承認は、第2相試験のデータに基づいている。EGFR-TKIによる治療中あるいは治療後に病勢が進行しEGFRT790M変異陽性と診断されたNSCLC患者を対象とする同試験で、同剤は有効性を示した。
アストラゼネカは、厚生労働省と合意した医薬品リスク管理計画書に基づき、同剤投与患者の安全を管理していくとしている。
(画像はプレスリリースより)

EGFR T790M 変異陽性転移非小細胞肺がん治療薬タグリッソ(オシメルチニブ)の販売を開始 - アストラゼネカ株式会社
http://www.astrazeneca.co.jp/media/pressrelease