徳島大学と共同で出願
SBIファーマ株式会社は、5月18日、インフルエンザウイルス感染症の予防・治療に関して、日本における特許を取得したと発表した。
同社は、5-アミノレブリン酸(ALA)を利用した医薬品などの研究・開発を行う企業。今回取得した特許は、国立大学法人徳島大学と共同で出願されていた。
ALAとSFC投与で感染マウスの生存率向上
インフルエンザウイルス感染症に対しては現在、予防についてはインフルエンザワクチンが、治療においてはオセルタミビルやザナミビルなどが、それぞれ多くのケースで使用されている。しかし、これらの治療薬が奏効するのは感染早期であり、また最近では同薬剤の耐性ウイルス検出の報告もあるため、新しい薬剤の開発が期待されていた。
SBIファーマは、インフルエンザに感染させたモデルマウスに対してALAとクエン酸第一鉄ナトリウム(SFC)を投与すると、摂食量・体表面温などの低下を防止され、生存率が向上することを発見。今後のインフルエンザウイルス感染症に対する新たな治療可能性を見いだすことができるとして、特許の取得に至った。
炎症性サイトカインの産生を抑制
ALAは、体内のミトコンドリアで作られるアミノ酸であり、エネルギー生産に関与する機能分子の原料となる重要な物質。SFCは、貧血の治療や予防に有効な化合物。
同社はALAとSFCのインフルエンザに対する作用メカニズムについて、ウイルスの増殖阻害とは異なり、重症化の引き金となる炎症による血管内皮細胞の破綻を防ぐことで、炎症性サイトカインの産生を抑制するとしている。

インフルエンザウイルス感染症の予防・治療に関する特許取得のお知らせ - SBIファーマ株式会社
http://www.sbipharma.co.jp/pdf/SBI_pharma_20160518.pdf