医薬品化を目指して開発中の抗体
小野薬品工業株式会社は、5月17日、IDACセラノスティクス式会社(以下「IDAC社」)との間でヒト化抗CD4抗体「IT1208」に関する独占的評価ならびにライセンス交渉に関する契約を締結したと発表した。
「IT1208」は、IDAC社が医薬品化を目指して開発中の抗体。同契約は、5月16日付で締結されている。
抗体依存性細胞傷害活性、100倍以上
IDAC社は、東京大学医学系研究科の松島綱治教授らによって、2012年4月に創設された企業。協和発酵キリンからライセンスを受けたヒト化抗CD4抗体「IT1208」の医薬品化を目指し、研究開発を進めている。
「IT1208」は、協和発酵キリンのポテリジェント技術により、抗体依存性細胞傷害活性を100倍以上高められた抗体。標的となるCD4陽性T細胞を一時的に除去することにより、腫瘍免疫抑制状態を解除し、CD8陽性T細胞を中心とする腫瘍免疫を活性化させる。がんやHIV、移植片対宿主病などがターゲットとして挙げられている。
第1相臨床試験を国内で実施
今回締結された独占的評価ならびにライセンス交渉に関する契約に基づく期間中、IDAC社は固形がんを対象とする「IT1208」の第1相臨床試験を、国内において実施する。
なお、マウス担がんモデルを用いた前臨床試験において、抗CD4抗体は優れた抗腫瘍効果を示すことが確認された。

IDAC 社とヒト化抗 CD4 抗体「IT1208」に関する独占的評価ならびにライセンス交渉に関する契約を締結 - 小野薬品工業株式会社
http://www.ono.co.jp/jpnw/PDF/n16_0517.pdfIDACセラノスティクス株式会社
http://www.idac-thera.com/index.html