東京大学と共同で出願
SBIファーマ株式会社は、5月20日、放射線障害の予防・治療剤に関して日本における特許を取得したと発表した。
同社はSBIホールディングス株式会社の子会社で、5-アミノレブリン酸(ALA)を利用した医薬品などの研究・開発等を行う企業。今回取得した特許は、東京大学と共同で出願されている。
骨髄抑制に対する方法にとどまっていた治療法
放射線障害は、X線やガンマ線などの放射線に被ばくすることにより発生する、身体的な障害や損傷の総称。原因として、放射線照射や放射能汚染などが知られている。
今日行われている放射線暴露に対する治療方法としては、造血を促進するサイトカインの投与や骨髄移植等がある。サイトカインは、免疫システムの細胞から分泌される特殊なタンパク質の総称。造血を促進するサイカインとしては、G-CSFなどが知られている。
しかしこれらの治療法は、放射線障害の症状の1つである骨髄抑制に対する方法にとどまっているのが実情だ。
広範な症状に対処し得るALA
SBIファーマは、放射線照射モデルマウスを用いた実験においてALAが、放射線障害に起因する生存率を向上させ、体重の減少を改善し、造血障害を緩和することを発見。ALAが、新たな作用機序で広範な症状に対処し得るとして、今回の特許取得に至った。
同社は今後もALAの様々な可能性を追求し、アンメットメディカルニーズに応える医薬品を世界中の一人でも多くの人へ提供できるよう、医薬品等の研究開発に努めるとしている。

東京大学との共同出願による放射線障害の予防・治療剤に関する特許取得のお知らせ - SBIファーマ株式会社
http://www.sbipharma.co.jp/pdf/SBI_pharma