ALAを利用した医薬品を研究
SBIファーマ株式会社は、5月20日、移植臓器生着促進剤に関して日本での特許を取得したと発表した。
同社はSBIホールディングス株式会社の子会社で、5-アミノレブリン酸(ALA)を利用した医薬品などの研究・開発等を行っている企業。同特許は、国立研究開発法人 国立成育医療研究センターと共同で出願されている。
副作用の懸念がある免疫抑制剤
近年、内科的・外科的治療では治せないような重症の臓器不全に対する根治的な治療法として、臓器移植が行われるようになった。
臓器移植においては、臓器提供者(ドナー)と臓器移植者(レシピエント)との間の組織適合性の診断が重要となる。適合性の程度に応じて、拒絶反応を制御する目的で免疫抑制剤が使用され、移植された臓器が移植先で機能を果たす「生着」が図られる。
しかし免疫抑制剤は、長期にわたり服用を続けなければならず、感染症や腎障害などの副作用を引き起こす懸念があった。
免疫抑制剤とは異なる作用メカニズムで
SBIファーマは、移植手術前のドナーと移植後のレシピエントの双方に対して、ALA単独またはALAと鉄化合物を含有する組成物を短期間投与することにより、従来の免疫抑制剤とは異なる作用メカニズムで拒絶反応が緩和され、移植臓器の「生着」が促進されることを発見。今回の特許取得に至った。
同社は今後も、アンメットメディカルニーズに応える医薬品を世界中の一人でも多くの人に提供できるよう、ALAの様々な可能性を追求するとしている。

国立成育医療研究センターとの共同出願による移植臓器生着促進剤に関する特許取得のお知らせ - SBIファーマ株式会社
http://www.sbipharma.co.jp/pdf/SBI_pharma