進行性腎細胞がんに対するエベロリムスとの併用療法の適応追加を承認
エーザイ株式会社は5月16日、米国子会社エーザイ・インクが、抗がん剤『レンビマ』(レンバチニブメシル酸塩)について、米国食品医薬品局(FDA)から「血管新生阻害薬の前治療歴を有する進行性腎細胞がんに対するエベロリムスとの併用療法」における適応追加の承認を取得したことを発表した。
PFSの延長と奏効率アップを評価
これは、臨床第III相試験の結果に基づいて承認されたもの。血管内皮細胞増殖因子を標的とした全治療歴を有する切除不能な進行または転移性腎細胞がんの患者を対象に、『レンビマ』と分子標的治療薬『エベロリムス』の併用投与を行った結果、エベロリムス単剤投与群と比較して、無増悪生存期間(PFS)の有意な延長と、より高い奏効率が認められた。
FDAのブレイクスルーセラピー指定品目
『レンビマ』は腫瘍血管新生、腫瘍増殖等に関わる「血管内皮増殖因子受容体」、「線維芽細胞増殖因子受容体」などの各種受容体チロシンキナーゼを阻害し、抗腫瘍効果を発揮する分子標的治療薬。2015年2月に米国で「局所再発または転移性、進行性、放射性ヨウ素治療抵抗性分化型甲状腺がん」について、最初の適応承認を取得。FDAより優先審査品目「ブレイクスルーセラピー」の指定を受けている。甲状腺がんにおいては、日本、欧州、韓国、カナダなど、世界40か国以上で承認を取得している。
複数のがんについて臨床試験が進行中
進行または転移性腎細胞がんについては、2016年1月に欧州で申請を行っているほか、今後は日本でも申請に向けて協議を行う予定。また。肝細胞がんをはじめとするその他のがんについても、現在複数の臨床試験を行っており、開発に向けての期待が高まる。

エーザイ株式会社(ニュースリリース)
http://www.eisai.co.jp/news/news201633pdf.pdf日経プレスリリース
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=413648&lindID=4