欧州で進行性・転移性脂肪肉腫に対する承認取得
エーザイ株式会社は、欧州統括会社エーザイ・ヨーロッパリミテッドが抗がん剤『ハラヴェン』について、新たに進行性脂肪肉腫に対する適応承認を取得したことを発表した。
進行性乳がんに続き2つ目 OSの延長が認められる
この承認は、「アントラサイクリン系抗がん剤治療を含む化学療法の全治療歴のある手術不能な成人の脂肪肉腫」に対するもの。アントラサイクリン系抗がん剤治療を含む2レジメン以上の治療歴がある進行または再発の悪性軟部腫瘍(脂肪肉腫または平滑筋肉腫)の患者452人を対象に行った臨床第III相試験で、全生存期間の延長が認められた。
日本では「手術不能または再発乳がん」の適応承認も
『ハラヴェン』はヘリコンドリン系の微小管ダイナミクス阻害剤。2010年に米国で転移性乳がんの適応で承認を取得し、日本では2011年7月に発売となった。最近の研究では、腫瘍の血流循環改善や、乳がん細胞の上皮細胞化の誘導、乳がん細胞の転移能減少などの作用が報告されている。乳がんでは、日本をはじめとする世界60か国で承認されており、欧州、アジアでは「1レジメン以上の前治療歴のある局所進行性・転移性乳がん」での適応拡大承認も取得している。
2016年に悪性軟部腫瘍でも適応承認
悪性軟部腫瘍については、2016年1月に米国で「アントラサイクリン系抗がん剤治療を含む化学療法の全治療歴のある手術不能または転移性の脂肪肉腫」で適応承認、日本では2016年2月に「悪性軟部腫瘍」で承認された。米国と日本で「希少疾病医薬品」の指定を受けている。

エーザイ株式会社
http://www.eisai.co.jp/日経プレスリリース
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=413110&lindID=4