「国循発」として世界に先駆けて開発
国立循環器病研究センターは、5月6日、新規脳動脈瘤治療機器「多孔化カバードステント(NCVC-CS1)」の医師主導治験を5月9日より開始すると発表した。
同センターは、平成23年度に早期・探索的臨床試験拠点整備事業に選定され、医療機器開発プロジェクト「MeDICIプロジェクト」にて様々な医療機器開発を支援してきた組織。「NCVC-CS1」は、「国循発」として世界に先駆けて開発されている。
新規の脳血管内治療機器「NCVC-CS1」
現在、脳動脈瘤の代表的な治療法としては、クリッピング術・母血管閉塞術・脳動脈瘤コイル塞栓術などがある。しかし大きなサイズの脳動脈瘤の場合、これらの治療法では脳動脈瘤への血流を完全に止めることができず、根治が困難だった。
同センター研究所の中山泰秀室長と同センター病院の佐藤徹医長は、動脈瘤の血流を完全に止めることができ、なおかつ血管を閉鎖したりコイルを詰めたりすることなく安全・確実・簡便に治療できる新規の脳血管内治療機器として、「NCVC-CS1」開発に着手。発案から10数年をかけて成功に至っている。
治療を早期に医療現場へ提供
今回開始される治験では、未破裂脳動脈瘤を内頚動脈や椎骨脳底動脈の患者を対象として、NCVC-CS1を留置。治療後180日までの安全性と性能評価を目的に実施される。対象症例数は12例であり、症例登録期間は平成28年5月9日から2年間。
同センターはこの治験により、「NCVC-CS1」による治療を早期に医療現場へ提供できることを目指すとしている。

国循発の新規脳動脈瘤治療機器「多孔化カバードステント(NCVC-CS1)」の医師主導治験の開始 - 国立循環器病研究センター
http://www.ncvc.go.jp/pr/release/20160506.html