サスカチュワン大学と提携
アンジェスMGは、DNAワクチン技術を用いたエボラ出血熱抗血清製剤開発分野でカナダのサスカチュワン大学と提携することを発表した。同社は、DNAワクチン技術を応用して、エボラ出血熱対策を対象とした抗血清製剤を開発中だ。
安全かつ短期間で製造可能なワクチン
同社が開発を進める抗血清製剤は、エボラ出血熱ウイルスのタンパク質をコードするDNAワクチンをウマに接種し、その血清に含まれる抗体を精製して製造。このDNAワクチン技術を用いることで、病原ウイルスそのものを取り扱わず、安全かつ短期間で製造できるため、緊急の対策を必要とするエボラ出血熱治療薬として適切だとされている。
既に実施した予備的な検証試験において、このDNA ワクチンの接種によりウイルスタンパク質に対し高い抗体価を有するウマ血清を製造できることが確認済みだ。
今回の提携によって、ワクチンと感染症の研究開発では世界でも有数の施設であるサスカチュワン大学のVaccine and Infectious Disease Organization -International Vaccine Centre(VIDO-InterVac)と共同で抗血清製剤の特性、製造および品質向上の検討を行っていく。
サスカチュワン大学のVIDO-InterVac
サスカチュワン大学のVIDO-InterVacは、40年にわたりヒトおよび動物のワクチンおよび感染症の研究開発において多くの実績がある研究機関。
世界でも有数のウイルス研究設備を保有し、感染症に対する革新的なワクチンや免疫治療薬の開発において海外の企業・機関と連携しているため、同社代表取締役社長である山田英氏は
日本国内ではエボラウイルスに対する抗血清の効果や品質を検討する施設がないことから、広く海外の施設を検討しておりましたが、カナダのサスカチュワン大学のVIDO-InterVac が今までの実績や経験から最適であると判断いたしました。(ニュースリリースより引用)
とコメントしている。
同社が開発中のエボラ出血熱抗血清製剤については、海外の研究機関等からの関心も高く、従来計画していた国内対応だけではなく、広く海外との連携も視野に入れて検討していくことが重要であり、同剤の早期実現化に向け、開発を進めていくとしている。

アンジェスMG ニュースリリース
http://www.anges-mg.com/pdf.php?pdf=100878.pdf