国立がん研究センターと共同出願
株式会社スリー・ディー・マトリックスは、4月27日、新規核酸医薬技術(マイクロ RNA阻害剤)について、骨肉腫の治療への応用に関する特許が米国で成立したと発表した。
同特許は、同社が国立研究開発法人 国立がん研究センターと共同で出願していたもの。
マイクロRNAを阻害し、骨肉腫を治療
同特許における技術は、体内に存在する核酸の一種であるマイクロRNAを阻害することで、骨肉腫を治療するというもの。
人や動物の体内には、多くの種類のマイクロRNAが存在する。そのうち「miR-133a」と呼ばれるものが、骨肉腫やその他数種類の肉腫の発生や悪性化に関わる「がん幹細胞」と関連しているということを、国立がん研究センターは発見した。
この発見をもとにした同特許の技術では、「miR-133a」の発現量測定による骨肉腫などの診断や、「miR-133a」を阻害する核酸の投与で骨肉腫などの「がん幹細胞」の機能を抑え、治療を目指す。
大きなシナジーが期待される
核酸医薬の臨床応用においては、治療部位の細胞に医薬を有効に送達する方法や、体内に投与した後の安定性などが課題となっている。
スリー・ディー・マトリックスは、同社基盤技術を用いた乳がんの「がん幹細胞」に対する新規核酸医薬に関し、治験を実施中。骨肉腫治療の臨床応用においても、今後の大きなシナジーが期待されるとしている。

新核酸医薬の技術を用いた「骨肉腫の治療」に関する共同特許取得のお知らせ - 株式会社スリー・ディー・マトリックス
http://www.3d-matrix.co.jp/dl_file/2016