「7-ethyl-10-hydroxycamptothecin」に対して
日本化薬株式会社は、4月22日、新規抗がん薬内包高分子ミセル「NK012」が内包する有効成分「7-ethyl-10-hydroxycamptothecin」に対して、FDAよりオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)の指定を受けたと発表した。
有効性の向上と副作用の軽減に期待
小細胞肺癌は、肺癌の約15%から20%を占める疾患。増殖が速く、再発や転移をしやすいという特徴を持ち、比較的早い段階で脳・リンパ節・肝臓・骨などへ転移する。しかし一方、非小細胞肺癌よりは抗がん薬や放射線治療の効果が得られやすいとも言われる。
「NK012」は、既存の抗悪性腫瘍薬の一つ「イリノテカン」の活性代謝物である「7-ethyl-10-hydroxycamptothecin」を、ブロック共重合体が形成する高分子ミセルに内包した新規抗がん薬内包高分子ミセル。
高分子ミセルは直径数十ナノメートルという大きさの粒子であり、物質透過性の高い腫瘍組織に集積しやすいという特徴を持つ。「イリノテカン」と比べ、有効性の向上と副作用の軽減が期待されている。
新たな治療の選択肢を提供
希少疾病には、原因が解明されていないため治療法が確立していない難病が多く、これらの希少疾病に対する医薬品がオーファンドラッグと呼ばれる。
FDAよりオーファンドラッグの指定を受けると、7年間の排他的先発販売権が与えられるほか、米国政府からの補助金の獲得や審査に対して優遇措置を受けることができる。
日本化薬は今後も、新たな治療の選択肢を提供できるよう邁進するとしている。

NK012の小細胞肺癌治療に対するFDAのオーファンドラッグ指定に関するお知らせ - 日本化薬株式会社
http://www.nipponkayaku.co.jp/information/