avelumabとインライタとの併用療法
ファイザー株式会社(以下、ファイザー)とメルクセローノ株式会社(以下、メルク)は、2016年4月21日、開発中のavelumabについて、進行腎細胞がん(以下、腎細胞がんをRCCとする)を対象とした第III相試験の投与を開始した。
このJAVELIN Renal101試験は、未治療の進行RCC患者に対するavelumabとチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)インライタの併用療法を評価する初のピボタル試験であり、経口低分子マルチターゲット型受容体TKIのスーテント単剤療法と無増悪生存期間(PFS)の優越性を比較、検証するものである。
インライタは一次治療の効果がなかった進行RCCの治療薬として米国で承認され、スニチニブまたはサイトカインの前治療が効果的ではなかった成人進行RCCの治療薬としてEUで承認されている。
スーテントは経口マルチキナーゼ阻害剤で、進行または転移性RCC治療薬として米国で承認されている。
JAVELIN臨床試験開発プログラム
avelumabは完全ヒト型抗PD-L1 IgG1モノクローナル抗体で、PD-L1の作用を抑制してT細胞と適応免疫系を活性化すると共に、自然免疫系に作用して抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)を誘発するとされている。
ファイザーとメルクは2014年11月にavelumabを共同開発し、JAVELIN臨床試験開発プログラムで他の治療法と組み合わせる併用療法を検討している。同プログラムに15種類以上の癌種を対象とした1,600人以上の患者が参加している。このたびの第III相試験では、進行RCCを適応症にインライタとの併用療法を検討する。

ファイザー株式会社・メルクセローノ株式会社 プレスリリース
http://www.pfizer.co.jp/