ロシュ社 免疫チェックポイント阻害剤
2016年4月11日、ロシュ社は、FDAで承認された診断薬によりPD-L1の発現を確認し、白金製剤を含む化学療法施行中又は施行後に病勢進行を認めた局所進行又は転移性非小細胞肺がん患者へのatezolizumabの投与について、FDAが生物学的製剤承認申請を受理するとともに優先審査に指定したことを発表した。
肺がんは、世界中でがんによる死亡原因の第1位となっており、毎年、159万人が肺がんで死亡している。肺がんは主に、NSCLCと小細胞肺がんの二つのタイプに分けることができ、非小細胞肺がん(NSCLC)は全ての肺がんの中で85%を占めている。
Atezolizumab
Atezolizumab(抗PD-L1抗体:MPDL3280A)は、腫瘍細胞又は腫瘍浸潤免疫細胞上に発現しているPD-L1(programmed death ligand-1)に直接結合するように設計されたモノクローナル抗体である。Atezolizumabは、PD-L1とPD-1およびB7.1レセプターの結合を阻害し、PD-L1の阻害により、T細胞を活性化させるが、正常細胞にも作用する可能性がある。
Atezolizumab 審査
Atezolizumabは2015年2月に、標準治療(白金製剤ベースの化学療法、EGFR遺伝子変異陽性又はALK陽性肺がんに対しては適切な分子標的療法)を施行中又は施行後に病勢が進行したPD-L1陽性NSCLC患者の治療について、FDAより画期的治療薬に指定された。
今回のatezolizumabの生物学的製剤承認申請(BLA)提出は、第II相臨床試験成績に基づいて行われ、FDAは2016年10月19日までに承認を判断する予定である。日本国内では、非小細胞肺がん、非小細胞肺がん、膀胱がん、筋層浸潤膀胱がん、腎細胞がん等を対象とした臨床試験に参加している。

中外製薬株式会社 プレスリリース
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