マルファン症候群の原因となる変異FBN1を有するブタ
2016年4月14日、明治大学・慶應義塾大学医学部は、マルファン症候群の原因となる変異フィブリリン1遺伝子(FBN1)を有するブタを作り、その系統樹立に成功したことを明らかにした。
明治大学バイオリソース研究国際インスティテュートの梅山一大特任准教授らと、慶應義塾大学医学部整形外科学教室の松本守雄教授らにより研究が進められていたものだ。
変異FBN1を有するクローンブタは、人工酵素・ジンクフィンガーヌクレアーゼと体細胞核移植法を組み合わせた方法で作ることに成功した。
その後、上記ブタの後代産仔にも変異FBN1が伝達され、マルファン症候群の症状が確認された。これにより同症候群のモデルブタの系統が樹立されたとしている。
特に外科的手技を伴う治療法開発に大きく寄与する可能性
マルファン症候群は常染色体優性遺伝の疾患で、現在国内には約2万人の患者がいると推定されている。その原因としてFBN1の変異が報告された。
ブタは解剖学的、生理学的にヒトと類似している。今回の研究成果により変異FBN1を有するブタを用いて新たな治療法開発、特に骨格に現れる脊椎側弯症や心臓・血管組織などの病変に対する外科的手技を伴う治療法の開発に大きく寄与することが期待される。
2016年4月14日(英国時間)、上記の成果は英国の科学雑誌「Scientific Reports」のオンライン版に掲載された。
(画像はプレスリリースより)

明治大学・慶應義塾大学医学部 プレスリリース
https://www.meiji.ac.jp/koho/press/2016/