革新的な薬となり得る候補化合物群が見出された
エーザイ株式会社は、2月8日、同社と米ブロード研究所による抗マラリア薬の共同研究論文が、米Nature誌に掲載されたと発表した。
この論文は、革新的な抗マラリア薬となり得る候補化合物群が見出されたことを明らかにしたもの。掲載は、2016年9月に行われている。
感染の根を断ち切る抗マラリア薬の開発へ
マラリアは、マラリア原虫が蚊の媒介によって人に感染する寄生虫症であり、世界三大感染症の一つとされている。治療薬は、アルテミシニン系抗マラリア薬を中心として複数存在するが、近年は既存薬に対して耐性を持つマラリアが出現。新しい治療薬の開発が急務となっている。
エーザイとブロード研究所による共同研究では、ブロード研究所が構築したDOSライブラリーを使用。マラリア原虫の全てのライフステージにおける効果を示唆する化合物群が複数見出された。この化合物は、マラリア感染の根を断ち切る抗マラリア薬の開発にとって、重要な鍵となるもの。
世界に先駆けて研究に取り組むブロード研究所
ブロード研究所は、マサチューセッツ工科大学およびハーバード大学により設立された共同研究施設。ゲノム医学における世界有数の研究機関であり、感染症など様々な疾患関連遺伝子を体系的に解明すべく、世界に先駆けて研究に取り組んでいる。
なお、エーザイとブロード研究所の共同研究で使用された化合物やスクリーニングの結果は、世界のマラリア研究者に役立ててもらうべく、ブロード研究所のウェブサイトで公開されている。
(画像は写真素材 足成より)

米ブロード研究所とエーザイの抗マラリア薬共同研究論文が米Nature誌に掲載 - エーザイ株式会社
http://www.eisai.co.jp/company/atm/activities/28.html