患者と医師の現実を公開
塩野義製薬株式会社と日本イーライリリー株式会社は、2016年12月、膝に痛みのある変形性関節症患者と、変形性関節症の治療経験のある整形外科医を対象とした変形性関節症の痛みに対する意識、実態に関する調査をインターネットで実施し、その結果を公開した。
今後へ生かせる調査
変形性関節症は、膝関節、股関節、足関節などによく見られ、特に変形性膝関節症は、40代以上男性で42.6%、女性で62.4%と有病率が非常に高いことが知られている。その上、慢性的な痛みを伴うため、日常生活に影響が出やすく、QOLの低下に繋がる可能性がある。
そのような状況の中、今回の調査結果が公表され、患者の意識を知ることで、今後の治療方法の改善等に有意義な内容と期待されている。
調査結果
患者への調査の結果、96.7%が変形性関節症に伴う痛みにより、日常生活に支障が出ると回答した。それにも関わらず、42.1%の患者が痛みを感じてから医療機関の受診をするまでに3ヶ月以上かかっていることもわかった。
また、医師から伝えられた変形性関節症に伴う痛みの原因は、加齢が64.1%、筋肉の衰えが51.4%と多く、その原因を聞いた際、治療への希望や期待よりも、あきらめ、不安、悲しみ、苛立ちを感じている割合が高いことが明らかになった。
その他にも、あきらめの気持ちから患者が医師に症状を伝えない現状が明らかになり、治療に満足している患者が少ないこともわかった。
そんな中、医師と話し合い、治療におけるゴール設定をした患者の治療状況への満足度は81.6%と高く、ゴール設定をしていない患者の満足が17.2%にとどまっていることから、医師と患者でコミュニケーションが取れ、治療の方向性が明確になっていることが、治療満足度を高めるポイントとなる可能性も示唆された。
(画像は塩野義製薬株式会社ホームページより)

塩野義製薬株式会社プレスリリース
http://www.shionogi.co.jp/