抗体の静的吸着容量を向上
株式会社カネカは、1月12日、新しい抗体医薬品精製用プロテインA担体「KANEKA KanCapA 3G」の販売を開始した。
同製品は、従来品と比べて抗体の静的吸着容量を向上させたもの。抗体医薬品の製造コスト削減や生産性向上への貢献が期待されると、同社は自負している。
「KANEKA KanCapA」で市場の採用実績を獲得
抗体医薬品は、免疫を利用した治療薬。がんやリウマチなどの治療において使用されており、近年は市場が拡大。さらなる生産性の向上と、製造コストの削減が求められている。
プロテインA担体は、抗体医薬品の製造において抗体を特異的かつ高容量で吸脱着することができる。その特性から、精製の段階で広く使用されている。カネカは、独自技術により開発したプロテインA担体「KANEKA KanCapA」を、2012年より販売。市場での採用実績を獲得していた。
今回販売が開始された「KANEKA KanCapA 3G」は、この従来品「KANEKA KanCapA」を改良した。
抗体医薬品に対する最適な精製方法を提案
「KANEKA KanCapA 3G」は、同社従来品と比較して抗体の静的吸着容量を約50パーセント向上させている。静的吸着容量は、その担体が目的分子を吸着できる最大量を指す。この改良により、生産効率の改善が見込まれる。加えて、培養工程で生じる不要なタンパク質などを除去する性能にも優れるという特徴を持つ。
カネカは今後も、抗体医薬品に対する最適な精製方法を提案できる製品群を拡大するとしている。
(画像はカネカの公式ホームページより)

抗体医薬品精製用プロテインA担体の新製品を販売開始 - 株式会社カネカ
http://www.kaneka.co.jp/service/news/170112