腎毒性薬剤が急性腎障害を引き起こす機序を解明
新潟大学は、1月5日、薬剤性腎症の発症機序とその予防薬を発見したと発表した。
同学大学院医歯学総合研究科機能分子医学寄附講座の斎藤亮彦特任教授を中心とする研究グループは、腎毒性薬剤が急性腎障害を引き起こす機序を解明。その予防薬を発見したという。
予防薬として「メガリン拮抗薬」を同定
抗菌薬や抗がん薬には、重篤な腎障害を引き起こす腎毒性薬剤が存在する。この副作用のため、疾患の治療が十分に行えない場合がある。また、慢性腎臓病患者などの疾患では、始めから薬の恩恵を受けることができない。薬剤の腎毒性の機序解明と、予防する方法の開発が求められていた。
同研究グループは、腎臓に存在するメガリンという分子が腎毒性薬剤を腎臓の細胞に取り込む「入り口」となり、腎障害を引き起こす機序を解明。さらに、この機序を抑制する予防薬として「メガリン拮抗薬」を同定している。
3年後を目処に医師主導治験へ
「メガリン拮抗薬」すなわち「シラスタチン」は、長年にわたって別の目的のために臨床において安全に使用されてきた薬剤。同研究グループは既に、「メガリン拮抗薬」として新たな特許を出願したという。
同研究グループは、感染症患者やがん患者を対象とする「メガリン拮抗薬」の医師主導治験の準備を、3年後を目処として開始している。
(画像はプレスリリースより)

薬剤性腎症の発症機序とその予防薬を発見 腎毒性薬剤が急性腎障害を引き起こす機序を解明、その予防薬を発見 - 新潟大学
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