特定使用成績調査で安全性・有効性を確認
ファイザー株式会社は、1月11日、抗悪性腫瘍剤/mTOR阻害剤「トーリセル」について、承認条件解除の通知を厚生労働省より受領したことを明らかにした。
同社はこの通知を、2016年12月28日に受領。日本人1003例での特定使用成績調査において安全性・有効性が確認されたため、今回の判断がなされたと同社はしている。
全例調査が義務付けられていた
「トーリセル」は、がん細胞の成長・増殖を調節するキナーゼであるmTORを阻害する、分子標的薬。同剤は、mTORの活性を阻害し、細胞周期の移行および血管新生を抑制。がん細胞の生存・増殖・転移を抑え、アポトーシスを誘導すると考えられている。
同剤は2010年7月、「根治切除不能又は転移性の腎細胞癌」を効能・効果として製造販売承認を取得し、同年9月に発売された。投与される患者は、緊急時に十分対応できる医療施設において全例調査に登録することが、承認条件として義務付けられていた。
今後も適正使用推進に尽力
「トーリセル」承認条件解除のために、報告対象症例日本人1003例の全例調査最終報告書を厚生労働省へ提出。「根治切除不能又は転移性の腎細胞癌」の患者における同剤の安全性ならびに有効性が明らかになり、適正使用についても必要な措置が講じられていると厚労省は判断し、今回の承認条件解除に至った。
同社は今後も、腎がん患者が適切なタイミングで適切な治療を受けられるよう、適正使用推進に尽力するとしている。
(画像はファイザーの公式ホームページより)

抗悪性腫瘍剤(mTOR阻害剤)「トーリセル点滴静注液25mg」、承認条件の解除通知を受領 - ファイザー株式会社
http://www.pfizer.co.jp/