カルシウム受容体作動薬「パーサビブ」
小野薬品工業株式会社は、12月19日、同社のカルシウム受容体作動薬「パーサビブ」について、血液透析下の二次性副甲状腺機能亢進症の治療薬として国内製造販売承認を取得したと発表した。
この承認を取得したのは、「パーサビブ静注透析用 2.5mg」「同5mg」「同10mg」。
生命にも影響を及ぼす二次性副甲状腺機能亢進症
二次性副甲状腺機能亢進症は、慢性腎不全の合併症のひとつ。同疾患では、副甲状腺より副甲状腺ホルモン(PTH)が過剰に分泌され、骨からのリンおよびカルシウムの血中流出を促進。骨痛や関節痛などの症状を誘発すると共に、動脈硬化などの心血管系障害の発症リスクを高め、生命予後にも影響を及ぼす。
「パーサビブ」は、副甲状腺にあるカルシウム受容体に作用することにより、PTHの過剰分泌を抑制し、血中のリン値およびカルシウム値を低下させる作用を持つ。同剤は静注透析用注射液であるため透析ルートからの投与が可能であり、透析患者の服薬負担軽減の面でも期待されている。
独占的開発・商業化権を取得した小野薬品
欧米において「パーサビブ」は、Amgen社が米国にて2015年8月に新薬承認を申請。適応は、慢性腎臓病に伴う血液透析患者における二次性副甲状腺機能亢進症としている。欧州では 2015年9月、中央審査方式による医薬品販売承認申請を実施。2016年11月、欧州委員会より医薬品販売承認を受けている。
小野薬品は、2011年9月にKAI社(現Amgen社)とライセンス契約を締結。同剤の日本における独占的開発・商業化権を取得している。
(画像は小野薬品の公式ホームページより)

カルシウム受容体作動薬「パーサビブ静注透析用 2.5mg、5mg、10mg」血液透析下の二次性副甲状腺機能亢進症の治療薬として国内製造販売承認取得 - 小野薬品工業株式会社
http://www.ono.co.jp/jpnw/PDF/n16_1219.pdf